お盆に、久しぶりに友だちと会いました。
友だちには大学受験を控えた子どもがいて、話しているうちに大学進学や教育費の話に。
そこで友だちが、
「奨学金、申し込む予定やねん」
と話してくれました。
聞いてみると、返還する必要のない給付型と、卒業後に返還する貸与型の両方を申し込む予定とのこと。
「返さんでいい方が通ったら、いいんやけどなぁ」
そんな話をしていました。
大学進学って、本当にお金がかかります。
学費だけじゃなく、自宅から通えなければ住居費や生活費も必要になります。
どこまで親が準備するのか。
奨学金を利用するのか。
家庭によって考え方も事情も違います。
私も友だちの話を聞きながら、
「大学のお金、ちゃんと考えないと」
と改めて思いました。
そのとき、奨学金の金利の話になって、
「借り終わるときの金利が適用されるから、今の金利で決まるわけじゃない」
という話をしました。
私がその場で話したのは、それくらい。
友だちの家庭には友だちの家庭の考え方がありますし、奨学金を利用することがいいとか悪いとか、そういう話ではありません。
ただ、家に帰ってから私自身も気になりました。
今、第二種奨学金の金利って実際どれくらい?
これから4年間借りるとしたら、金利はいつ決まる?
知っているつもりでも、細かいところまでは私も分かっていません。
そこで今回、JASSO(日本学生支援機構)の資料を見ながら、奨学金の仕組みを改めて調べてみました。
調べてみると、私が思っていた以上に金利を取り巻く状況は変わっていました。
この記事では、第二種奨学金の金利がいつ決まるのか、現在の金利はどれくらいなのか、実際に借りると返還額はいくらになるのかをまとめます。
※この記事は2026年8月時点の日本学生支援機構(JASSO)・日本銀行・金融庁などの公表情報をもとにまとめています。
奨学金には「返さなくていいもの」と「返すもの」がある
JASSOの奨学金には、大きく分けて「給付奨学金」と「貸与奨学金」があります。
給付奨学金は、原則として返還する必要がありません。
一方、貸与奨学金は借りるお金なので、卒業後などに返還する必要があります。
さらに貸与奨学金には、
- 第一種奨学金:無利子
- 第二種奨学金:有利子
があります。
今回、私が特に気になったのが、この第二種奨学金の金利です。
第二種奨学金の金利はいつ決まる?申し込んだときではない
ここは、今回調べていて特に大事だと思ったところです。
第二種奨学金の利率は、
申し込んだときの金利ではありません。
JASSOによると、利率が決まるのは貸与終了月です。
たとえば2026年4月に大学へ入学して、4年間、第二種奨学金を借りたとします。
その場合、通常なら貸与終了は2030年3月。
2026年に申し込んだからといって、2026年の利率がそのまま適用されるわけではありません。
実際に適用される利率は、貸与が終了するまで分からないのです。
これから数年間借りる予定なら、
「今の金利が何%か」だけを見て返還額を考えることはできない。
これは、申し込む前に知っておきたいポイントだと思いました。
第二種奨学金の金利は2026年7月に年3%へ
「奨学金だから、金利はかなり低い」
私自身、以前はそんなイメージを持っていました。
でも、最近の金利を見ると状況は変わっています。
2026年度に第二種奨学金の貸与を終了した人に適用された基本月額の利率は、固定方式の場合、
- 2026年4月:2.722%
- 5月:2.922%
- 6月:2.922%
- 7月:3.000%
となっています。
第二種奨学金の基本月額にかかる利率は年3.0%が上限です。
2026年7月の固定方式は、その上限に達しました。
一方、2026年7月の利率見直し方式は年2.000%です。
※上記は2026年8月時点でJASSOが公表している利率です。最新の利率はJASSO公式サイトでご確認ください。
「奨学金=ほとんど利息を気にしなくていい」
とは言い切れない状況になっているんだな、と感じました。
政策金利も上昇。「金利のある時代」に戻ってきた
ここ数年、日本の金利を取り巻く環境は大きく変わっています。
長い間、日本では超低金利が続いていました。
しかし、日本銀行は2024年にマイナス金利政策を解除。
その後も政策金利は段階的に引き上げられ、2026年8月現在は、無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移させる金融政策となっています。
ただし、ここは誤解しないようにしたいところです。
「日銀が政策金利を上げたら、奨学金の金利も同じだけ上がる」という仕組みではありません。
第二種奨学金の利率は貸与終了時の資金調達に関する金利をもとに決まるため、日銀の政策金利と直接連動しているわけではありません。
それでも、日本全体が長く続いた超低金利の時代から変化していることは、奨学金を考えるうえでも知っておきたいところです。
実際、第二種奨学金の固定方式の利率は上昇し、2026年7月には年3%に達しました。
だから、
「今まで奨学金の金利は低かったから、これからも低い」
とは限りません。
もちろん、数年後には金利が下がっている可能性もあります。
未来の金利は誰にも分かりません。
だからこそ大切なのは、
「今見えている金利で、将来の返還額が決まるわけではない」
と知ったうえで、借りる金額を考えることだと思います。
奨学金で480万円借りたら?金利3%での返還額と利息
では、金利が違うと実際の返還額はどれくらい変わるのでしょうか。
JASSOが公表している返還例を見てみました。
第二種奨学金を月10万円、4年間借りると、
10万円×48か月=480万円
です。
これを20年間(240回)で返還する場合、JASSOの公表例では次のようになります。
| 適用利率 | 毎月の返還額 | 返還総額 | うち利子 |
|---|---|---|---|
| 0.5% | 21,069円 | 5,056,654円 | 256,654円 |
| 1.0% | 22,172円 | 5,321,420円 | 521,420円 |
| 2.0% | 24,478円 | 5,874,754円 | 1,074,754円 |
| 3.0% | 26,914円 | 6,459,510円 | 1,659,510円 |
年3%なら、
480万円借りて、返還総額は約646万円。
利子だけで約166万円になります。
私はこの数字を見て、思っていた以上に大きいなと感じました。
もちろん、これは月10万円を4年間借り、20年間で返還する場合の一例です。
実際の返還額は、借りる金額や適用利率、返還条件などによって異なります。
それでも、
「毎月いくら借りられるか」だけでなく、「最終的にいくら返す可能性があるのか」まで確認する。
これは大切だと思いました。
第二種奨学金には「固定」と「見直し」がある
第二種奨学金では、利率の算定方法を選びます。
利率固定方式
貸与終了時に決まった利率が、返還完了まで適用されます。
その後、市場金利が上がっても下がっても、基本的に利率は変わりません。
利率見直し方式
貸与終了時に決まった利率を、おおむね5年ごとに見直します。
市場金利が上がれば適用利率が上がる可能性があり、下がれば下がる可能性があります。
利率の算定方法は第二種奨学金を申し込む際に選びますが、JASSOによると、貸与期間が終了する年度の一定時期までは変更できます。
どちらがいいかは、その家庭の考え方や金利の状況によっても変わります。
「今はこちらの方が低いから」という理由だけではなく、それぞれの仕組みを理解して選びたいところです。
奨学金を借りる・借りないに正解はないと思う
ここまで金利の話を書いてきましたが、
「じゃあ、奨学金は借りない方がいいの?」
という話ではありません。
私は、そこに一つの正解があるとは思っていません。
家庭によって収入も貯蓄も違います。
教育費の考え方も違います。
自宅から大学へ通うのか、一人暮らしをするのかでも必要なお金は大きく変わります。
奨学金があるからこそ、希望する進学先を選べる人もいると思います。
我が家だって、この先子どもがどんな進路を選ぶのかはまだ分かりません。
だからこそ、
「奨学金だから金利は低い」
「借りられるなら、とりあえず借りておこう」
と考えるのではなく、
「いくら借りる?」
「誰が返す?」
「何年間返す?」
「利息を含めたら、総額はいくらになる可能性がある?」
そこまで知ったうえで、それぞれの家庭に合った方法を選べたらいいのかなと思います。
大学受験の直前ではなく、もっと前からできることもある
そして今回、友だちとの会話をきっかけに、もう一つ考えたことがあります。
大学のお金って、受験生になってから突然必要になるわけではありません。
子どもが小さいうちなら、大学進学まで10年以上ある家庭もあります。
その時間を使って、少しずつ教育費を準備する方法もあります。
我が家がその一つとして利用したのが、ジュニアNISAでした。
投資なので、もちろん元本割れする可能性があります。
数年以内に使う予定のお金まで投資に回すのはリスクがあります。
それでも、大学進学まで時間があるからこそ、
「長期間使わないお金をどう準備するか」
を考える選択肢の一つにはなると思っています。
我が家が実際にジュニアNISAを利用した結果については、こちらの記事に詳しく書いています。
👉 ジュニアNISAに入れた160万円が350万円に!廃止前に駆け込んでよかった
2027年から0~17歳もNISAのつみたて投資枠を利用できる
さらに、これから教育費を準備する家庭にとって、選択肢の一つになりそうなのがいわゆる「こどもNISA」です。
2026年3月末に成立した税制改正法によって、NISAのつみたて投資枠の年齢要件が撤廃されました。
2027年から、0~17歳については、
- 年間投資枠:60万円
- 非課税保有限度額:600万円
となります。
これまでのジュニアNISAがそのまま復活するわけではなく、現在のNISAの「つみたて投資枠」を0~17歳にも広げる仕組みです。
教育費を準備する方法が増えるのは、子育て世代にとってありがたいことだと思います。
ただし、NISAだから安全という意味ではありません。
投資なので元本保証はありません。
大学進学直前に必要なお金を投資していて、そのタイミングで大きく値下がりしたら困ります。
だから私は、
近いうちに使うお金は現金。
長期間使う予定のないお金は、リスクを理解したうえで投資も検討する。
そんなふうに、使う時期に合わせて考えることが大切だと思っています。
まとめ|奨学金を借りる・借りないより、まず仕組みを知っておきたい
友だちとの何気ない会話をきっかけに、今回改めて奨学金について調べてみました。
第二種奨学金の固定方式の利率は、2026年7月には年3%に達しています。
そして、これから大学に入る人の実際の利率が決まるのは、原則として貸与が終了するときです。
4年間借りるなら、数年先。
そのとき金利がどうなっているかは分かりません。
だから、
奨学金を借りることがいい・悪いではなく、まず仕組みを知ってから考える。
それが大切なんだと思います。
そして、まだ大学進学まで時間がある家庭なら、
「大学に入るとき、いくら必要になる?」
「そのうち、どれくらいを親が準備する?」
「現金で貯める?」
「長期間使わない分は投資も利用する?」
そんなことを少しずつ考えておく。
将来、奨学金を利用することになったとしても、準備してきた教育費があれば、借りる金額を減らせるかもしれません。
我が家もまだ教育費の準備の途中です。
子どもがどんな進路を選ぶかも分かりません。
だからこそ、選択肢を狭めないように、できる範囲で準備していきたいと思っています。
※奨学金やNISAなどの制度は今後変更される可能性があります。実際に利用する際は、JASSO・金融庁などの最新情報をご確認ください。
